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【光造形の常識】「趣味用」と「産業用」は何が違う?波長(355nm)と方式が生む圧倒的な性能差

家庭用光造形機で「反り」や「落下」に悩んでいませんか?プロが使う産業用3Dプリンターは、光の波長(355nm)と造形方式(トップダウン)が根本的に異なります。エポキシ系樹脂による高精度化と、大型造形を可能にするメカニズムを徹底解説。

近年、低価格な光造形3Dプリンターが普及し、社内で試作を行う企業様が増えています。

しかし、いざ運用を始めると「造形途中で脱落してしまう」「大きなパーツが反って寸法が出ない」「時間が経つと割れてしまう」といったトラブルに直面することはありませんか?

その原因は、カタログスペックの解像度だけでは見えない、機械の「心臓部」に決定的な違いがあるからです。それは「光の波長(355nm vs 405nm)」と「造形方式(トップダウン vs 吊り下げ)」という2つの要素です。

今回は、プロの製造現場が採用する「産業用SLA」と、一般的な「家庭用・ホビー用」の間に存在する越えられない壁について、「化学(材料)」と「物理(構造)」の両面から解説します。

1. 【化学の違い】波長で決まる「樹脂のグレード」

まず1つ目の違いは、樹脂を固める光の「波長」です。

「たかが50nmの差」と思われるかもしれませんが、この違いは光のエネルギー量に直結し、どんな化学反応(重合)を使えるか、つまり「どんなグレードの樹脂を使えるか」を決定づける最も重要な要素です。

405nm(LCD/DLP方式):ラジカル重合・アクリル系

ホビー用やエントリーモデルの光造形機で使用される405nmは、可視光に近い「紫色の光」です。エネルギーが比較的弱いため、反応感度の高い「アクリル系樹脂」と「ラジカル重合」という反応メカニズムが採用されます。

  • 化学反応:ラジカル重合
    光が当たると瞬時に反応が始まり、急速に固まるのが特徴です。造形スピードは速いですが、分子同士が急激に引き合うため、「硬化収縮」が非常に大きい(縮みやすい)という欠点があります。
  • 材料特性:アクリル系
    空気中の酸素に触れると硬化が妨害される「酸素阻害」という性質があり、表面がベタついたり、造形不良が起きたりしやすい傾向があります。また、物性は一般的に硬くて脆いものが多く、長期間負荷がかかると変形しやすいのも弱点です。

355nm(産業用SLA方式):カチオン重合・エポキシ系

BfullのZRapidなどが採用する355nmは、エネルギー密度の高い「完全な紫外線(UVレーザー)」です。この高いエネルギーを使って初めて反応させることができるのが、「エポキシ系樹脂」と「カチオン重合」です。

  • 化学反応:カチオン重合
    ここが産業用の精度の秘密です。カチオン重合は、反応時に分子の環が開く「開環重合」というプロセスを含みます。
    アクリル(ラジカル)がギュッと縮まるのに対し、エポキシ(カチオン)は「開いて繋がる」ため、体積収縮が極めて小さく抑えられます。これが、産業用SLAが大型パーツでも反らずに高精度な理由です。
  • 材料特性:エポキシ系ハイブリッド
    酸素の影響を受けないため、表面までカチッと硬化し、シャープなエッジが出せます。
    さらに、実際の工業プラスチックに近い「耐熱性」「耐薬品性」「強靭性」を持たせることができます。ABSライクやPPライクなど、エンジニアリング用途に耐えうる材料は、この355nm環境下でこそ真価を発揮します。

2. 【物理の違い】成功率を決める「造形方式」

2つ目の違いは、造形テーブルがどのように動くかという「方式」です。これが大型造形の可否と成功率に直結します。

吊り下げ式(ボトムアップ方式)

一般的な安価なプリンターのほとんどがこの方式です。樹脂が入った浅いトレイの底から光を当て、プラットフォームを引き上げながら、ぶら下がるように造形します。

  • 最大の弱点:剥離抵抗(はくりていこう)
    1層固めるたびに、トレイの底(フィルム)に張り付いた樹脂を「バリッ」と引き剥がす必要があります。この「引き剥がす力」が造形物に常にかかり続けるため、以下の問題が起きます。
  1. 支えるための「サポート材」を太く、大量に付ける必要がある。
  2. 自重と剥離力に耐えられず、造形物が落下・脱落しやすい。
  3. 1メートル級の大型造形は、重すぎて物理的に不可能。

トップダウン式(沈み込み方式)

産業用SLAプリンター(ZRapidなど)で採用される方式です。たっぷりと樹脂が入った槽(バット)に対し、上からレーザーを照射。プラットフォームが液面より下へ下へと沈み込みながら造形します。

  • 最大のメリット:剥離抵抗ゼロ
    樹脂の液面に浮くような状態で造形されるため、フィルムから引き剥がす力が一切かかりません。さらに、硬化した樹脂の浮力が重力を相殺するため、以下のメリットが生まれます。
  1. 極細のサポート材で造形可能(除去跡が綺麗)。
  2. 繊細な形状や、超大型パーツでも脱落のリスクがほぼゼロ
  3. 樹脂への物理的ストレスが少なく、歪みのない高精度な仕上がり。

3. 結論:なぜプロは「355nm × トップダウン」を選ぶのか?

産業用3Dプリンターが選ばれる理由は、単に「高いから良い」のではありません。

  1. 355nmのエポキシ系材料(カチオン重合)で、歪みのない強いパーツが作れる。
  2. トップダウン方式なので、落下や剥離のリスクがなく、安定して巨大な造形ができる。

この2つの要素(化学的安定性と物理的優位性)が組み合わさっているからこそ、プロの現場で通用する品質が出せるのです。

装置と材料だけでなく、「どうすれば綺麗に造形できるか」「どう磨けば透明になるか」というノウハウも含めてサポートいたしますので、導入後すぐに高クオリティな内製化が実現します。

Bfullの「ZRapid iSLA」という選択

株式会社Bfullが運用・販売している「ZRapid iSLAシリーズ」は、この「355nm波長」と「トップダウン方式」の両方を兼ね備えた、正真正銘の産業用マシンです。

  • 「家庭用機で失敗したパーツを、高精度に作り直したい」
  • 「分割せず、一体で大きな部品を出力したい」

そうお考えの方は、ぜひ一度Bfullにご相談ください。 産業用機ならではの「失敗しない安定感」と「圧倒的な仕上がり」を、受託製造または装置導入という形でご提供いたします。
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