3Dプリンター造形における中空化のメリットと失敗しないデータ編集ノウハウ
3Dプリンターにおける中空化(シェル化)は、材料コストの削減や造形時間の短縮に加え、精度維持においても大きなメリットがあると考えられます。一方で、適切なデータ作成や後工程を行わない場合、強度の低下や内部への材料残留による造形不良を引き起こす原因となります。本コラムでは、中空化のメリット・デメリットと、株式会社Bfullの設備・人員体制を活用した具体的な解決ノウハウを解説します。
1. 造形における中空化のメリット
3Dプリンターでの造形において、モデル内部を空洞にする「中空化」には、主に以下のメリットがあると考えられます。
- 材料消費量の削減によるコストダウン
内部を空洞にすることで、使用する樹脂の物理的な量を削減します。 - 造形時間の短縮
硬化または溶融させる面積および体積が減るため、造形スピードが向上します。 - 造形物の軽量化
完成品の重量が軽くなるため、搬送や他部品への組み込みが容易になります。冒頭の画像(23インチホイール)のように、大型の造形物ほどその効果は顕著です。 - 反りの回避
造形時に発生する熱と、その後の冷却過程における収縮を抑制できるため、造形物の反りを防ぎ、寸法精度を安定させることが可能です。
2. 中空化のデメリットや難しさ
一方で、単純に内部を空洞にするだけでは、以下のデメリットや造形失敗のリスクが発生すると考えられます。
- 強度の低下
内部が空洞になることで、外部からの衝撃や圧力に対する物理的な強度が低下します。 - 材料の残留
完全に密閉された空洞を作ると、内部に未硬化のレジン(樹脂)が排出されずに残ります。 - 変形や割れの発生
内部に材料や空気が密閉されると、造形中や硬化後に内圧の変化が生じ、反りや割れなどの原因になります。
3. デメリットを解消するために必要なノウハウ
株式会社Bfullでは、上記の課題を自社取扱いのデータ編集ソフトウェアと、専任スタッフによる徹底した後工程体制によって解決しています。
ソフトウェア「VoxelDance Additive」を活用したデータ編集
強度低下や材料残留を防ぐためには、専用のソフトウェアによるスライス処理が不可欠です。当社が販売および運用するソフトウェア「VoxelDance Additive」を用いることで、以下の処理が可能です。
- 中空化(シェル化)と肉厚設定
指定した厚みでの中空化処理をワンクリックで実行します。指定した厚みは2~5mmで設計することが多いです。 - ラティス構造の自動生成
空洞部分に格子状の支持構造(ラティス構造やハニカム構造など16種のパターン)を生成し、軽量化を維持したまま強度を補強します。
- 強化リブの追加
ラティス構造ほどの密度を必要としない場合でも、一定の強度が必要な箇所には当社のエンジニアがリブを追加設計し、お客様が求める要件基準を担保します。 - 抜き穴(逃し穴)の配置
内部に溜まった未硬化樹脂を排出するための穴を、適切な位置およびサイズで配置します。また、排出後に隙間なく穴を塞ぐためのフタの設計も可能です。
専任スタッフによる造形と後工程(洗浄・乾燥)
データ上で抜き穴を設けても、内部の材料を除去するためには物理的な作業が必要です。当社では以下の体制で品質を管理しています。
- 技術スタッフによる配置最適化
造形方式に合わせて重力や液体の流れを計算し、材料が排出しやすい向きで造形およびサポート材の配置を行います。 - 生産ラインスタッフによる後工程
造形後、専任スタッフがパーツの取り出し、洗浄、乾燥、研磨を行います。中空化モデルに対しては、抜き穴から洗浄液を注入して内部の未硬化樹脂を洗浄し、内部まで乾燥および二次硬化させます。これにより、経年による液漏れや割れを防ぎます。
お客様へ最大限のメリットを提供するサポート体制
当社では、いただいたデータに対し中空化の提案や、無償のデータ編集(データ内容による)も行います。株式会社Bfullはもともとコストパフォーマンスに優れていますが、中空化によるさらなるコストダウンを図り、最大限のメリットを提供できるプロフェッショナル集団です。
【監修者情報】
監修者:成田
株式会社Bfull 3Dプリンタ―事業部 技術広報
経歴:3Dプリンター業界で10年以上の実務経験をもち、製造業向けの造形サポートに従事。
専門領域:3DCGやCAD、デザインソフトを用いた様々なデータ作成を専門とし、製造業での技術経験もあることから、設計・データ作成から造形、後工程に至るまでの総合的な知見を保有する。
コメント:「中空化はコスト削減と品質維持の両立に不可欠な技術です。データ作成でお困りの際は、当社の無料データ編集・提案サービスをぜひご活用ください。」




