医療業界が抱える課題と解決方法を紹介！3Dプリンターが解決の糸口になる？
医療業界を支えている医療機器製造では、人手不足や熟練工の不足などが問題視されています。精密さが求められる作業は、機械で行うのが難しく、現在も手作業に頼っているのが現状です。しかし、生産量や品質の不安定さが問題視されており、近年3Dプリンターの活用が注目を集めています。
本記事では、医療業界が抱える課題の詳細や、3Dプリンターの活用方法を紹介します。医療業界の課題を解決する糸口になるかもしれない3Dプリンターの特徴を把握し、導入を検討しましょう。
医療業界のよくある課題
ここでは、医療業界が抱えている医療機器の製造についての課題を3つ紹介します。
手作業により大量生産が難しい
製品の製造というと、大部分が機械化されていて、同じ製品を大量に生産するイメージをもちますが、医療機器製造は、精密機器のため製造の一部や大半を手作業で行うケースが多い傾向です。高い精密さゆえに機械での調整が難しく、長年培われた熟練の技術により手作業で調整する必要があります。
例えば、カテーテルの製造では、管の形を整えたり、コーティング剤の塗布を隅から隅まで行ったりする細かな作業を、手作業で担っている現場が多くあります。医療機器製造工程のうち、約9割を熟練工の手作業で進めているため大量生産が難しいのが現状です。
人手不足による生産数の減少
少子高齢化による労働人口の減少は、医療機器製造の現場にも影響をおよぼしています。製造現場に必要な人材全体が不足しているとともに、精巧な技術をもった熟練工の人口も減少しています。そのため、品質を担保しながら安定した製造をするのが難しくなっているのです。熟練工の高齢化が進み、急な休職や退職が続いてしまうと品質や生産数の維持がより難しくなるでしょう。
製作者によって品質のばらつきがある
医療機器製造の接着剤やコーティング剤の塗布作業は、現在も手作業で行われている現場が多く、作業者の技術力により品質にばらつきが生じているケースが多くあります。医療機器製造では、精密さが求められる場面も多く、そのほとんどを熟練工による手作業で担っていますが、人手による作業では、どうしても品質の差が発生してしまうでしょう。
医療における3Dプリンターの活用方法
3Dプリンターを利用すれば、造形データと材料を用意するだけで、小ロット品やオーダーメイド品の製造が可能です。切削や研削などの機械加工をせずにイメージする製品を製造できます。また、造形の自由度が高いため、複雑な形状にも対応が可能です。医療分野では、患者一人ひとりにあわせて製品をカスタマイズする必要があるため、オーダーメイドに適した3Dプリンターと相性がよいといえます。
手術シミュレーションへの活用
3Dプリンターの医療技術への応用事例として、手術シミュレーションに利用する臓器模型の製作が挙げられます。CTやMRIなどによって撮影された画像データを参考に、3Dプリンターで臓器モデルを製作。臓器モデルを活用することで、より本物の臓器に近い精巧な模型を用いて医師たちは手術シミュレーションを行えるようになります。
近年の3Dプリンターは、高い造形精度を備えた機種も多いため、より精密な臓器や骨の模型を製作可能です。しかし、内臓をはじめとした臓器モデルの製作は、複雑な造形や着色が求められるためコストが高く、現在はまだ骨格モデルの作成が中心のようです。今後、3Dプリンターによる手術サポートに対して保険が適用されるようになれば、手術の安全性向上により貢献できるようになるでしょう。
義手や義足の製作
3Dプリンターを利用した義手や義足の製作は、コストの削減につながるとして注目を集めています。義手や義足は、装着する部分の形状がバラバラで、使用者一人ひとりにあわせて細かな調整が必要なため、オーダーメイドで製作する必要があります。そのため、一つの義手や義足に対して大きなコストが発生してしまうのです。しかし、3Dプリンターは小ロットに適した製造方法のため、コストの削減が期待できます。また、使用者にあわせてカスタマイズが可能です。
また、3Dプリンターとそのほかの技術を組み合わせることで、より快適かつ機能的な義手や義足を製作できるようになります。例えば、装着部位の形状を3Dスキャナーで測定し、コンピューターによるシミュレーションで構造を最適化させることで、優れた強度と軽量性の両立が可能です。近年は、AIを活用して動作制御や感覚フィードバックを行う研究も進んでいます。
針刺し事故防止キットの製造
針刺し事故防止キットとは、注射針キャップの取り外しと取り付けができる画期的なツールです。血液や体液曝露による針刺し事故を防止できるツールとして医療業界で話題を集めている医療用品です。差し込み部分であるインサートの精度が高く、注射針キャップの取り外しと取り付けが簡単に行えます。
注射針キャップと同じプラスチック素材で製造されており、キャップとともにリサイクルに出せる点も魅力の一つです。3Dプリンターを利用して低コストかつ精度の高い針刺し事故防止キットの製造が実現しています。
Zrapid iSLAの特徴
ここでは、ZRapid社が開発・提供する3Dプリンター「Zrapid iSLA」の魅力を紹介します。
ハイスペックなモジュールを備えている
ZrapidのiSLAシリーズは、工業グレードの高性能モジュールを採用しています。造形品質に決定的な影響を与えるレーザーには、アメリカのAdvanced Optowave社製の高性能レーザーを搭載。水冷方式を採用し、安定した出力性能を保っている点もメリットといえます。また、メンテナンスが不要な点も特徴の一つです。
さらに、レーザーの制御にはドイツのSCANLAB社製ガルバノスキャナを採用し、高精度なスキャンを実現しています。使いやすいインターフェースと優れたUIを備えたiSLA専用オペレーティングシステム「ZERO」により、初めての導入でもスムーズな運用が可能です。
ラインナップが豊富で低価格でも購入できる
Zrapid iSLAシリーズは、大型産業用SLAプリンターの中でも非常にリーズナブルな価格設定です。一般的に、300mm角以上の産業用光造形3Dプリンターは2000万～7000万円が相場ですが、iSLAシリーズはその半額以下の価格で購入可能です。例えば、iSLA300は1000万円未満で購入できます。さらに、運用に必要な樹脂材料も1kgあたり1万円台から購入できるため、ランニングコストも抑えられるのが魅力です。
また、3Dプリンターのラインナップも豊富で、最大1900mm×1000mmから300mm×300mmまでの9種類の機種を展開しています。特に1000mm以上の機種では、デュアルレーザー方式を採用し、従来比で約1.5倍のスピードで造形が可能です。
導入前後のサポートが充実している
Zrapid iSLAシリーズを取り扱うBfull社では、3Dプリンターの導入を全面的にサポートしています。導入前には材料の提案、生産体験、設置場所の調査などの支援を提供し、導入時には機器のセッティングや操作ノウハウの提供を行います。導入後も、専門知識や豊富な経験をもつエンジニアがサポート。トラブル対応や生産の遅れが生じた際には代理造形のサービスも行っています。生産が間に合わないときでもお気軽にご相談ください。
まとめ
3Dプリンターは、医療業界を支えている医療機器製造の課題を解決する糸口となります。精密な模型を小ロットで製造できるため、使用者一人ひとりにあわせて形を変える必要のあるオーダーメイド製造にも適しています。
医療機器製造現場の課題解決のために3Dプリンターの導入を検討されている方は、Zrapid iSLAシリーズの販売を行うBfull社にぜひご相談ください。初めての導入でも、導入前から導入後まで一貫したサポートを提供いたします。
なお、Bfullが独自開発した技術を詰め込み、より製作をスムーズに行える
「Zrapid iSLA by Bfull」については下記で詳しくご紹介しています。
