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3Dプリンターとは?仕組み・種類・活用法を解説

3Dプリンターとは?仕組み・種類・活用法を解説

3Dプリンターは、ものづくりの世界に大きな変革をもたらしている注目の技術です。これまでは金属やプラスチックを削ったり型に流し込んだりして製造していたモノを、3Dデータをもとに一層ずつ「積み上げる」ように造形できるのが3Dプリンターの大きな特徴。複雑な形状や少量生産にも向いているため、製造業のみならず建築、医療、教育、アートなど多彩な領域で利用が広がっています。

この記事では、3Dプリンターの基本的な仕組みや特徴から、主な5つの造形方式の比較、業界別の活用事例、そして「Bfull3Dプリントサービス」の詳細についてまで、初心者でもわかりやすいように解説します。2025年の最新動向を交えながら解説しますので、3Dプリンターをこれから導入したい・興味がある方はぜひ参考にしてください。

3Dプリンターとは?基本の仕組みと特徴

3Dプリンターの定義と注目される理由

3Dプリンターとは、3Dデータをもとに材料を少しずつ重ねて立体物を造形する装置の総称です。基本的には「材料を足して形を作る」積層造形技術を用いており、デジタル技術と製造技術を融合させた次世代のものづくり手法として注目されています。
なぜこれほど注目されているかというと、従来の製造方法では対応が難しかった以下のようなポイントをクリアできるからです。

複雑形状への対応

サポート材やレイアウトを工夫すれば、従来の金型や切削加工では作りにくい複雑な形状を1回の造形で生み出せる。

少量多品種・個別対応に向く

1点からの生産やプロトタイプの試作、カスタマイズパーツの製造なども柔軟に行える。

リードタイムの短縮

金型作成や段取り替えが不要なため、試作・小ロット生産の時間とコストを大幅に削減できる。

こうしたメリットは、ものづくりのスピードアップやイノベーションを促進し、各業界に大きなインパクトを与えています。

一般的な製造法との違い(切削加工との比較)

従来から広く利用されている金属や樹脂の切削加工は、素材のブロックを削って目的の形状を「削り出す」方式です。一方、3Dプリンターは原則として「積み上げる」方式です。この違いが3Dプリンターの強みを生み出しています。

切削加工の特徴

  • 高い強度や精度を得やすい
  • 表面が滑らかに仕上がりやすい
  • 複雑な形状を削り込むのは難しく、段取りや専用工具が必要になる場合も多い

 

3Dプリンターの特徴

  • 工程がシンプルで、ツールの変更がほぼ不要
  • 複雑形状や中空構造など、切削では困難な形状を作りやすい
  • 材料を必要最低限しか使わない方式もあり、コスト削減・環境負荷低減に貢献

切削と積層、それぞれに一長一短がありますが、3Dプリンターの登場によって「設計の自由度」が大幅に向上し、業界の技術革新を後押ししているのです。

3Dプリンターでできること・できないこと

3Dプリンターはものづくりを大きく変革する技術ですが、得意な分野・苦手な分野があります。導入を検討する際には、強みと弱みを正しく理解しておくことが大切です。

できること

  • 複雑な内部構造や中空構造を含んだ形状を一度に造形可能
  • 一点モノ、少量生産、短納期の試作に向く
  • 材料によっては金属パーツの製造も可能になり、強度も確保しやすい

できないこと(課題が残る分野)

  • 大量生産品の単価を極限まで下げるには、まだ従来の金型大量生産に軍配が上がるケースが多い
  • 造形サイズや材料に制限があり、すべての部品を3Dプリンターだけで賄うのは難しい
  • 造形後の仕上げ作業(サポート除去、表面研磨など)が必要になる場合があり、設計データ通りの性能・外観を実現するには追加の工程が不可欠

ただし技術の進歩は著しく、2025年現在では大型造形や多様な材料に対応した機器が次々に登場しています。今後、さらなる性能向上やコストダウンに期待が寄せられています。

3Dプリンターの造形方式|主な5つの方式を徹底比較

3Dプリントイメージ

3Dプリンターと一口に言っても、実際にはさまざまな造形原理が存在します。ここでは代表的な5つの方式を紹介し、それぞれの特徴を解説します。

粉末焼結積層造形方式(SLS)

SLS(Selective Laser Sintering)は、ナイロンやポリアミドなどの粉末材料を薄く敷き詰め、レーザーを照射して一層ずつ焼結し、積み上げる方式です。

特徴

  • サポート材が不要:粉末層が造形物を支えるため、複雑形状に対応しやすい
  • 強度と耐久性が高く、機械的な機能部品の試作にも向く
  • 粉末を回収・再利用できる場合もあり、材料コストを抑えられる

課題

  • 設備自体が高額になりやすい
  • 造形後の粉末処理や表面処理などの工程が必要

光造形方式(SLA)

SLA(Stereolithography)は、光硬化性樹脂(液状)に紫外線レーザーを照射し、樹脂を硬化させて積層する方式です。

特徴

  • 表面の滑らかさと高精度が得られやすい
  • 比較的小型の機器が多く、デスクトップ型も普及している
  • 透明樹脂も使えるため、クリアパーツや美術系モデルなどにも最適

課題

  • 樹脂特有の臭いや取り扱いに注意が必要
  • 造形時にはサポート材が必須であり、取り外しや後処理が発生する
  • 光硬化性樹脂の材料単価がやや高め

インクジェット方式(マルチジェットプリント方式)

インクジェット方式の中でも、マルチジェットプリント方式はUV硬化樹脂をインクジェットヘッドから噴射し、UV光で瞬間硬化させるアプローチです。

特徴

  • フルカラーや多材料を同時に造形できる機種もあり、複合素材の表現が可能
  • 非常に細かい積層ピッチで、高精細な仕上がりを期待できる
  • 造形速度が比較的速い機種も多い

課題

  • 対応材料がやや限定的(特に高強度や高耐熱の材料は限られる)
  • 高性能機は価格が高く、導入・運用コストが大きい

インクジェット粉末積層方式(カラージェット方式)

カラージェット方式は、石膏系の粉末層にインクジェットヘッドで接着剤やカラーインクを吹き付け、少しずつ固めながら積層する方式です。

特徴

  • フルカラーの造形が可能で、プロダクトデザインやフィギュアの試作に向く
  • 造形後に余分な粉末を払い落とすだけで仕上がるため、大きな構造にも対応可能
  • 材料(石膏系粉末)が比較的安価で、消耗コストが抑えやすい

課題

  • 造形物の強度は低めで、実用部品には向かない場合が多い
  • 水濡れや衝撃に弱く、表面のコーティング処理が必要
  • 大型機器の場合、導入スペースが必要になる

熱溶解積層方式(FDM)

FDM(Fused Deposition Modeling)は、熱で溶かした熱可塑性樹脂をノズルから押し出し、一層ずつ積み上げる方式です。デスクトップ型3Dプリンターとしても広く普及しています。

特徴

  • 機器の価格帯が幅広く、個人や教育機関向けの低価格モデルも多数
  • 材料の種類が豊富(PLA、ABS、PETG、TPUなど)で、実用パーツから造形しやすい
  • 操作が比較的簡単で、メンテナンス性にも優れている

課題

  • 積層痕が出やすく、表面がラフになりがち
  • 精度や仕上がりの美しさではSLAやインクジェット方式にやや劣る
  • サポート材の除去や反り対策など、注意が必要なポイントが多い

造形方式別|3Dプリンターのメリット・デメリットと適した用途

各方式の「コスト感」「精度」「速度」「材料の自由度」を比較

3Dプリンターの導入・利用時に重視されるのが「コスト」「精度」「速度」「材料の自由度」です。方式別にざっくり比較すると以下のようなイメージになります。

造形方式コスト感精度速度材料自由度
SLS(粉末焼結積層)装置価格・材料費ともにやや高め中~高精度中程度樹脂系粉末中心、金属焼結技術も存在
SLA(光造形)装置は中価格帯~高価格帯、光硬化樹脂の材料コストがやや高い非常に高精度、表面が滑らか中程度~やや遅め光硬化性樹脂中心、一部柔軟性や耐熱性のある特殊樹脂もあり
インクジェット(マルチジェット)装置・材料ともに高め非常に高精細、カラー・複数素材対応も可能比較的速い場合もUV硬化樹脂が中心、機種によって多材料・カラー対応
インクジェット粉末積層(カラージェット)装置は中~高価格帯、材料費は比較的抑えやすい(石膏系)カラー表現に強み、強度は低め比較的速い石膏系粉末が中心
FDM(熱溶解積層)装置は低価格から高価格まで幅広く、材料費も比較的安価中程度(積層痕が出やすい)中程度~やや速いPLA、ABS、PETGなどの熱可塑性樹脂、カーボン混合など特殊フィラメントも多数

業界別(製造業・建築・医療・教育・アート)での活用シーン

製造業

  • 製品の試作や金型の一部パーツの試作に活用
  • SLSやFDMを用いた機能部品の製造も進行
  • 少量多品種の部品製作でリードタイムを短縮

建築

  • 建築模型の製作にSLAやFDMを活用
  • 大型プリンターによる建物の一部やブロック造形も研究中
  • デザインコンセプトのプレゼン用模型にフルカラー造形も

医療

  • 患者のCT/MRIデータから3Dモデルを作成し、手術シミュレーションに利用
  • 口腔内スキャンをもとに歯科用ガイドや補綴物を製造
  • インプラントの個別フィットを可能にするカスタムパーツを造形

教育

  • STEM教育の一環としてFDMプリンターが学校などで導入
  • 生徒のアイデアをすぐに試作・検証することで、創造性・問題解決能力を育成
  • アートやデザイン、エンジニアリングの基礎教育に活用

アート

  • アーティストがSLAやインクジェットのフルカラー造形で作品を制作
  • 複雑形状や自由な造形表現ができるため、新しいアート表現の可能性を開拓
  • プロトタイピングから最終作品まで一貫して3Dプリントを活用

導入前に知っておきたい注意点と選び方のポイント

3Dプリンターを導入する際には、以下の点を考慮して最適な方式・機種を選ぶことが重要です。

①用途と求める精度を明確にする

  • 試作目的か最終製品か、どのくらいの強度・精度が必要か、などを事前に整理

②造形サイズと材料特性を把握する

  • どのくらいの大きさのパーツを扱うか、耐熱・耐薬品性・強度などの材料要件をチェック

③導入予算とランニングコストを計算する

  • 3Dプリンター本体の価格だけでなく、消耗品・材料・メンテナンス費用も含めて検討

④後工程や仕上げ作業の手間を見積もる

  • サポート除去や表面研磨、塗装などが発生する場合、どのくらい手間がかかるかを試算

⑤信頼できるサポート体制やサービスを確認

  • 機器トラブル時の対応や、技術的な相談に乗ってもらえるサポートがあるか

Bfull3Dプリントサービスが選ばれる理由|高精度・高速対応・国内サポート完備

Bfull3Dプリントサービスとは?

Bfull3Dプリントサービスは、3DプリンターメーカーZrapid社の最先端設備と、Bfullが培ってきた3Dモデル製作・3Dプリンタ―運用のノウハウを融合させた3Dプリント総合サービスです。単なる造形代行ではなく、お客様のアイデアや図面をベースに最適な造形方式や仕上げ方法を提案し、ものづくりのプロセスをトータルサポートします。

Bfull3Dプリントサービスの強み(生産体制・造形実績・コストパフォーマンス)

日本最大級、大型産業用SLA3Dプリンターを22台設備

最大800×800×500mmのワークサイズを備えたSLA3Dプリンターを22台設備しています。大型パーツも一体で造形することができるうえ、小ロット量産にも短納期で対応可能です。

豊富な造形実績と技術スタッフ

Bfullが長年培った3Dモデリング・フィギュア製作の経験と、年間150万パーツの造形実績。それにZrapidの最新SLAプリンターの高機能を掛け合わせることで、複雑形状や高精細モデルの造形も安心してお任せいただけます。

高いコストパフォーマンス

材料を大量仕入れしているため価格が安く、高いコストパフォーマンスをご提供します。3Dプリンタ―の活用が初めてのお客様でもお試しいただきやすいサービスです。

短納期・小ロット・高精度に対応可能な理由

Bful3Dプリントサービスでは、日本最大級となる22台の産業用大型SLAプリンターを稼働させ、急ぎの試作や少量生産ニーズにも柔軟に対応できる体制を整えています。また、技術スタッフが造形前のデータチェックやサポート設計を行うことで、トラブルを最小限に抑え、高い成功率・再現性を実現。高精度かつ短納期を可能にするために、以下の取り組みを実施しています。

  • 造形前の徹底したデータ検証と最適化
  • 造形方式ごとの熟練スタッフによるモニタリング
  • トラブルが起きた際の即時対応と再造形オプションの用意

【無料相談受付中】図面・3DデータがなくてもOK!まずはお気軽にご相談を

「3Dデータがないけれど、こういうモノを作りたい」「製品試作したいが、最適な造形方式が分からない」などのお悩みがある方は、Bfull3Dプリントサービスへお気軽にお問い合わせください。専門スタッフがヒアリングを行い、図面や3Dデータの作成・修正からサポートいたします。小ロットやワンオフモデルの製作、アート作品の造形まで、幅広い分野のプロジェクトをお手伝いします。

お問い合わせ方法

  • 公式サイトのお問い合わせフォーム
  • お電話によるご相談
  • メールでの資料請求・お見積もり依頼

最新の3Dプリンター技術とBfullが積み重ねてきたノウハウを掛け合わせた「Bfull3Dプリントサービス」だからこそ、安心かつ柔軟にものづくりを進められます。3Dプリンターの外注や導入のご検討は、ぜひ私たちにお任せください!

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